色々と不評な日本レコード大賞について考えてみたいと思います。創設は1959年と古く、アメリカで創設されたグラミー賞に影響された当時進歩的な作曲家によって創設されました。それまでの日本の音楽界は旧態然とした歌謡曲中心で、大手のレコード会社が専属の作家に売れ筋の曲を書かせ、発売するという寡占状態でした。当然抵抗勢力が沢山いたが、運営委員長の古賀政男は自腹を切ってまで戦いを挑んだ。お蔭で古賀らが立ち向かったレコード会社の専属作家制度は、1970年頃には姿を消した。そういう意味では守旧派を駆逐し、日本に新しい音楽の風、今で言うグローバル化に成功した。
更にはNHK紅白歌合戦という国民的歌番組に寄生することにより、益々の隆盛を極めた。賞の創設に関わった服部良一は1974年ころ、権威の上昇と比例して賞の商業的な付加価値が高まり、レコード会社の賞とり合戦の過熱と作品の質よりも人気が先行する傾向が相乗し、更にこれが審査の不透明さを巡る黒い噂を生じさせていることを懸念していた。また1980年代には台頭してきたニューミュージックを中心に音楽の権威に対する考え方の変化が起こり、賞レースに左右されない音楽活動をしたいことなどを理由に、受賞そのものを辞退する有力アーティストが増えるようになり、賞の権威は低下し始めた。
それが決定的になったのは1994年で、大賞を受賞したMr.Childrenが欠席するという異例の事態になった。ある意味、Mr.Childrenが日本レコード大賞の権威に最後の引導を渡したとも言える。慌てふためいた選考委員たちはそれ以降、歌手が受賞を辞退した場合または歌手がその年に死去した場合、その楽曲は大賞受賞曲とはならないとルールを変えた。辞退したアーティストには福山雅治、B'z、Mr.Children、ジャニーズ事務所所属歌手等の大物がいて、日本レコード大賞の権威は大きく失墜した。昨年の米津玄師が受賞できなかったのも会場に来ないからだろうが、代わりに特別賞を与えてお茶を濁している。
1⃣ 創設の経緯と変遷
戦後の日本の音楽界においては、ジャズ、ロカビリーなど米国由来の新しいジャンルが流れ込んできており、若者世代から熱狂的な支持を受けていた。一方で音楽界の主流を占めているのは戦前から続く歌謡曲で、大手のレコード会社が専属の作家に売れ筋の曲を書かせ、発売するという寡占状態が成立していた。結果、年配世代がレコードを通じて歌謡曲を、若者世代がコンサートを通じて新音楽をそれぞれ支持するという世代間の空白が生じていた。1959年、古賀政男、服部良一らの主導で、レコード会社所属の作曲家による親睦団体日本作曲家協会が設立される。古賀、服部らは、世代間のギャップを超えた新しい日本の歌を生み出すべく、ジャンルを問わずにその年の日本を代表する歌を選出するグランプリを開催することを目指す。
範としたのは、前年に米国で始まったグラミー賞である。しかし古賀らの動きは音楽界の主流派の非協力という形で抵抗を受ける。共催を申し込んだ社団法人日本蓄音機レコード文化協会(現日本レコード協会)には断られ、レコード会社はビクター以外の協力は得られなかった。大手新聞社の音楽記者会は事態を警戒して初年度の審査への参加を留保して、テレビ各社はラジオ東京テレビ(現TBS)のみが賛意を示した(これが縁で、レコード大賞の放送はTBSで行われている)。運営委員長を引き受けた古賀は参加者の不安を抑えるために私財を投げ打ってでも必ず実施すると宣言し、実際に赤字分を個人負担せざるを得なかった。
古賀の自腹によってどうにか開催された第1回レコード大賞で大賞を受賞したのは、ロカビリー系の黒い花びら、歌手は本作でデビューの水原弘、作詞は放送作家の永六輔、作曲はジャズ奏者として一世を風靡した中村八大という、主流の歌謡曲とはかけ離れた組み合わせであった。後に作詞家として大成した永は後年、第1回の大賞を権威ある作品ではなく全く無名人の作品にしたことを、「審査員の良識だったと思う」と述懐している。以降も新ジャンルからの受賞が相次ぎ、受賞曲がヒット、受賞者が売れっ子のヒットメーカーになるにしたがって、日本の音楽界のボーダーレス化が進んでゆく。古賀らが立ち向かったレコード会社の専属作家制度は、1970年頃には姿を消した。初めの数年は賞自体の知名度が低く、放送時間は年末の昼間、会場も神田共立講堂など小規模の会場であった。
1969年、第11回から番組の構成を一新する。大晦日のNHK紅白歌合戦が始まる前に本選を開催・生中継する様になり、カラーでの全国放送を開始、更に会場を帝国劇場に移し、司会には高橋圭三を起用した。更に伴奏にはビッグバンドと当時の常識ではあり得ない規模のストリング・オーケストラ、各種管打楽器、それに合唱団が並び、長洲忠彦が永らく指揮者を務めた。演出に力を注ぎ、更に国民的番組であった紅白歌合戦と時間帯が連続することにより、賞のネームバリューが上昇、視聴率も紅白と肩を並べるほどになる。賞の権威は絶好調であったが、賞の創設に関わった服部良一は1974年ころ、権威の上昇と比例して賞の商業的な付加価値が高まり、レコード会社の賞とり合戦の過熱と作品の質よりも人気が先行する傾向が相乗し、更にこれが審査の不透明さを巡る黒い噂を生じさせていることを懸念していた。
1980年代には台頭してきたニューミュージックを中心に音楽の権威に対する考え方の変化が起こり、賞レースに左右されない音楽活動をしたいことなどを理由に、受賞そのものを辞退する有力アーティストが増えるようになり、賞の権威は低下し始める。第27回(1985年)から会場を日本武道館に移し、授賞式の華やかさを増すことでテコ入れを図るも視聴者離れの歯止めが効かず、第28回(1986年)で視聴率が30%を割り込む。1989年、紅白歌合戦が放送開始時刻を19時台に引き上げることによって紅白が裏番組になり、視聴者を奪われると同時に歌手のやり繰りにも苦労するようになる。この年を境に視聴率は一気に20%を割り込む。
第32回(1990年)から大賞をポップス・ロック部門と歌謡曲・演歌部門に分割し、視聴者による電話投票の導入するなど打開策を講じたが、大賞のジャンル分けでレコード会社の認識との食い違いが生じるなど問題が生じ、また電話投票は組織票が問題視され、第35回(1993年)で廃止された。第36回(1994年)では、大賞を受賞したMr.Childrenが欠席するという異例の事態になる。大賞受賞者が欠席したのはこの1回のみ。この年から会場がTBS放送センターに移る。
第46回(2004年)からは紅白歌合戦や年忘れにっぽんの歌の出演でNHKホールや新宿コマ劇場とを移動する出演者への配慮で、会場を新国立劇場に移した。第47回(2005年)には視聴率が過去最低の10%を記録。常連だったスポンサーの多くが降板し、スポンサー枠自体が縮小されるに至った。第48回(2006年)から裏番組とのバッティングの弊害を解消すべく、開催日を1日繰り上げて12月30日に変更した。同時に放送時間を拡大し、過去の受賞曲で構成される事前番組が放送されるようになった。
2⃣ 審査員と疑惑
1959年に創設され、1970年代から1980年代にかけて、テレビにおける歌番組の隆盛と共に最盛期を迎えた。しかし、レコード会社や事務所の力関係により受賞者が決まっているとの指摘もあり、賞レースに左右されない音楽活動をしたいことなどを理由に、受賞そのものを辞退する有力アーティスト(福山雅治、B'z、Mr.Children、ジャニーズ事務所所属歌手など)が1990年代から増えるようになった。これにより賞の権威は大きく低下し、第36回(1994年)には大賞受賞者が授賞式に出席しないという異例の事態となった。それ以降、歌手が受賞を辞退した場合または歌手がその年に死去した場合、その楽曲は大賞受賞曲とはならない。
① 審査員:新聞紙各社14名前後、TBS社員4名前後、音楽評論家・音楽プロデューサー5名前後
② 疑惑:2014年に審査委員を務めたスポーツニッポンが、大賞決定と同時刻に受賞作品の詳細をネットニュースで配信したため、事前にどの作品が受賞するかわかっていたのではないか、という疑惑が生じた。2015年には、レンタルチェーン店を展開するTSUTAYAが自社のニュースサイトにて、特定のレコード会社や芸能事務所が審査委員に対して何らかの働きかけを行っているとする音楽関係者の声を報じた。この種の癒着は1970年代ころからあったとされるものの、審査委員の大半を新聞社とテレビ局の社員が占めるため、「報じない、報じられない」といった状態が続いてきたと、音楽評論家の麻生香太郎は指摘している。
この様な中、審査委員を務める産経新聞は2015年に自ら、「出来レースでは?」と題し、賞の存在意義に疑問を投げかける記事を同社のニュースサイトにて掲載した。また、大賞常任実行委員で音楽家の富澤一誠はインタビューに対し、「賞レースの盛り上がりが、ファンには音楽業界の利益優先の腐敗や出来レースのように映るようになり、大衆から支持を失っていった」と認めた。週刊文春2016年11月3日号においては、前年に大賞を受賞した三代目J Soul Brothersが買収によるものであったとの記事が掲載され、「年末のプロモーション業務委託書として」と書かれた1億円の請求書が公開された。このことについての三代目J Soul Brothersサイドからの反応は無く、事実は不明となっている。
3⃣ 2018年レコード大賞作選考の超ドタバタ舞台裏
昨年末に放送された第60回輝く!日本レコード大賞に吉永小百合やピンク・レディーなど、レジェンドスターが多数出演。平成最後の記念すべき放送に花を添えた。だが、大賞が決まるまでの舞台裏はかなりドタバタしていたという。「音楽の多様化によって、誰もが知っているような大ヒット曲が生まれにくくなった。ここ10年、『そんな曲、ヒットしてたっけ?』という作品が大賞に選ばれているのはそのためです。選考過程が完全非公開なため、大手芸能プロと審査委員の癒着が疑われる始末。2015年の大賞を受賞した三代目J Soul Brothersの所属事務所がバーニングプロダクションに1億円のプロモーション費を支払っていたと報じられた際は、カネで大賞を買ったとかなり叩かれましたね」(レコード会社社員)
2005年には審査委員長が謎の死を遂げている。TBS関係者は、「レコ大を放送するTBSの番組スタッフですら、公式発表前に大賞作を知ることはできないのです」と嘆く。「把握しているとしたらTBS幹部のほんの一握りでしょう。2018年はここ数年でもとくに選考でバタバタしました」2018年なら、小学生の間でもヒットし、忘年会等でさんざんマネされたDA PUMPのU.S.A.が早々と当確―となりそうなものだが、さにあらず。前出TBS関係者が苦笑いする。
「レコ大は主催が日本作曲家協会で日本の優れた曲を選ぶというのがコンセプト。洋楽カバーであるU.S.A.は対象外なのです。番組スタッフ自身、『本当に残念ですよ』なんて関係各所で言っていたんですが、フタを開けてみたらノミネートされていた。過去に安室奈美恵の洋楽カバー曲TRY ME(1995年)、華原朋美の韓国のバラードのカバーあなたがいれば(2004年)がノミネートされていたことがスポーツ紙で報じられて、『例外もアリだった!』と大慌てしたんだとか(笑)。どちらの曲も大賞は逃していたため、審査委員や番組スタッフ自身、忘れていたようです」。U.S.A.に匹敵するヒット曲Lemonを歌った米津玄師を引っ張り出そうという動きもあったという。
「米津はテレビの生放送には出ないことで知られていたので、当初は諦めていました。ところが、昨年10月に行われた東京ドラマアウォード2018に米津が登壇。ならばレコ大出演も可能性アリかもしれないと交渉を進めたといいます。そもそもLemonはTBSで放送されていたドラマ/アンナチュラルの主題歌。ダウンロード数も2018年ナンバーワン。米津の事務所もまんざらではなく、勝算はあったのですが……本人が先のドラマアウォードでやはり生放送は無理だと思ったようで、出演を断られてしまい、米津案は頓挫しました」(前出のレコード会社社員)かつてのような国民的イベントではなくなったが、いまもレコ大争いは熱い闘いが繰り広げられているのだ。 (FRIDY DIGITAL)
4⃣ 日刊サイゾーの記事
本命と目されていたDA PUMPのU.S.A.を差し置いて、乃木坂46シンクロニシティが大賞を獲得した第60回日本レコード大賞。乃木坂46にとっては、2017年のインフルエンサーに引き続き2年連続の大賞受賞となったが、この結果に対しては疑問を呈する声も多い。「乃木坂46の人気は確かに絶対的ですが、2018年に老若男女に愛された曲といえば間違いなくU.S.A.。今回のレコ大の結果に、不可解さを感じる業界人も少なくありません」(音楽業界関係者)しかしながら、U.S.A.については、外国曲のカバーということが理由で大賞を獲れないのではないかとの事前予想が多かったのも事実だ。
「カバー曲だからNGだというのであれば、ノミネートさせるべきではなかった。盛り上がり的なことを考えてDA PUMPを出したいのはわかりますが、ちょっとフェアではないと思います」(同)。実際、U.S.A.はカバー曲だから大賞を逃したのだろうか?審査の裏側についてはこんな話が聞こえてきた。「そもそもDA PUMPはノミネートもされないだろうと、レコ大関係者は話していました。しかし、なぜだかノミネートとなった。まずその時点で、なんだかおかしな動きだったんですよね。そして、ノミネートされたのであれば大賞を獲るだろうと言われていたのに、本番直前になってやっぱりU.S.A.は大賞を獲れないという話が持ち上がってきたんですよ。審査関係者の間でも相当意見が分かれていたんだと思います」(テレビ局関係者)
また、別の関係者はこう話す。「よくネットなどでは、今回のレコ大について出来レースといった言われ方もされていますが、審査の方向性は本当に当日になるまで、近い関係者でもわからなかったようです。ただ、ひとついえそうなのは、U.S.A.に大賞を獲らせたくない勢力があったのだろうということ。そして、その勢力の意見が通ったということです」。今回大賞を取った乃木坂46に対しては、ネットなどで批判的な声も多い。
「DA PUMPがダメならば乃木坂46が大賞、というのは既定路線だったようです。乃木坂46側からの働きかけということではなく、単純に実績からそうなったという流れだったのでしょう。まあ、乃木坂46としては棚ぼた的なところもありますが、疑惑の目を向けられたという意味では被害者でもあると思います。まっとうな審査ができなかったということが、今回のレコ大の最大の間違いだったということなのでしょう」(同)記念すべき60回目だったというのに、妙な形になってしまった日本レコード大賞。その権威が復活するときはくるのだろうか。
5⃣ 2017年の女性セブンの記事
かつては、紅白歌合戦と並んで年末の国民的関心事だった日本レコード大賞。しかし、最近では注目度が低くなったどころか、週刊文春では買収疑惑も報じられた。その報道とは、芸能プロ・バーニングプロダクションが、2015年のレコ大の大賞である三代目J Soul Brothersが所属するLDHに、年末のプロモーション業務委託費の名目で1億円の請求書を出したというもの。そして、週刊文春ではレコード大賞のドンとして主催団体の日本作曲家協会会長・叶弦大氏(78才)が登場し、こう発言している。「このような事態になったことは大変遺憾で、主催者として大変申し訳なく思っています」「伝統あるレコード大賞が汚されてしまった。当事者には、どうしてくれるのかと言いたい」
しかし、一方でこの叶氏がレコ大を私物化しているとの指摘もある。叶氏はあくまでレコ大の主催者という立場で、審査委員ではない。だが、審査委員に対して絶大な力を持っている。「審査委員は毎年変わりますが、人選は叶さんの専権事項です。記者やジャーナリスト、音楽評論家にとって、レコ大審査委員の肩書は魅力的。だから、2017年も選ばれたければ叶さんには逆らえません」(審査委員経験者)2016年の優秀作品賞(10作品)の最終選考は11月17日に行われた。その数日前のことだ。複数の審査委員に、叶氏から電話が入った。「演歌枠は2枠でいいでしょうね。2016年は坂本冬美ちゃんが一生懸命やってるからいいんじゃないか」
例年、演歌の枠は2つか3つ。その1席は、圧倒的な人気の氷川きよしでほぼ当確だ。残る1席には複数の候補がいて激戦だったが、決め手は鶴の一声だった。「審査委員は自分の選んだ作品に挙手して票を入れます。つまり記名投票で、叶さんの意思に反せば、2017年は審査委員に呼ばれなくなるかもしれない。結局、2016年は坂本冬美で決まりました」(前出・審査委員経験者)さらに、12月30日に決まる大賞にも叶氏の意向が滲む。「12月中旬、叶会長がAKB48のレコード会社幹部に連絡し、大賞はAKBで行こうかという動きがあるとハッパをかけたんです。そう声をかけられればレコード会社も本気で賞レースの運動をすることになる。中立の立場であるはずの叶会長が特定の歌手に肩入れするのはいかがなものか」(ある作曲家)
作曲家協会は2017年で60周年、レコ大は2018年で60周年を迎える。叶氏が2017年以降も会長を続投すれば、それらの節目を仕切ることになるという。日本作曲家協会は公益性があると認定され、税制が優遇されている公益社団法人だ。もし私物化されているなら、公益法人の認定も再考される必要がある。有力審査委員とレコード会社の癒着も問題視されている。叶氏の右腕として長年、実行委員として運営に参加し、2016年はほぼすべての賞の審査に携わる、最優秀歌唱賞委員会の湯浅明審査委員長の行状について明かすのは、あるレコード会社の担当者だ。
「毎年、レコ大の季節が近づくと、湯浅さんに賞の相談をしなければなりません。実際、彼の言う通りに賞が決まっていくので、無視できない。過去には、叶さんと湯浅さんの2人にホテルの一室に呼び出され、彼らの推す演歌歌手に投票するように迫られた審査委員もいました。審査の情報や賞を得るために、湯浅さん主催のゴルフコンペに参加することは必須。毎年、大手レコード会社や芸能事務所の担当者がずらりと参加しています」。11月7日、TBSの会議室で審査会が行われた後のこと。湯浅氏は複数のレコード会社の担当者を、いきつけのカラオケスナックに呼んだ。
「受賞作品が発表されるまで審査過程はトップシークレットです。でも、湯浅さんはその日の審査内容をつまびらかに語っていた。どんな見返りがあるのか知りませんが、審査委員長自ら、特定のレコード会社だけに情報を漏らすなんて言語道断です。過去にその行為は問題視されたのですが、一向にやめる気配もありません」(音楽関係者)視聴者が本当に聴きたい音楽とは別に、主催者や審査委員の一部、レコード会社の都合で、賞が決まっていく。それならばいっそ「レコ大をなくしてほしい」という関係者の声も多い。
叶氏は女性セブンの取材に「AKBのレコード会社幹部には大賞はAKBでいこうという動きがあるが知っているかと連絡しただけ。審査員とは常日頃から連絡をとっていて、その中で、冬美ちゃんは今までの実績もあるし一生懸命やってるから、(2人なら1人は)冬美ちゃんしかいないんじゃないか、とそんな話はした。演歌で売れている作曲家は5、6人しかいないから、連続で私の作品が入ってもおかしくない」と言う。湯浅氏は、11月7日の審査委員会後にレコード会社担当者と飲食し、委員会の情報は伝えたことは認めたが、「問題はない」と言う。
6⃣ 秋元グループ
圧倒的な2018年の代表曲、米津玄師のLemonは本人が出席しないから没になりましたが、これは分からないでもない。ノーベル賞も死んだ人は対象外だし、出席しないとボブディランのように叩かれる。もう一つの代表曲DA PUMPのU.S.A.も洋楽カバー曲だから大賞にはできないが、その他の賞でお茶を濁しているのでしょう。ジャニーズ事務所・EXILEグループ・日本レコード大賞に価値を感じない大物アーティスト等、諸事情があって対象外のアーティストも多そうです。そんな中、2年連続で乃木坂46が受賞しました。確かにCD枚数や売上なら乃木坂46なのだろうが、この賞はその年を代表する楽曲でないと意味がない筈だ。
ここ10年、「そんな曲、ヒットしてたっけ?」という作品が大賞に選ばれているのはそのためですと、上の記事で書いていますが果たしてそうだろうか?そもそも代表的なヒット曲を辞退したのならともかく出席できないからとか、洋楽カバーだから与えないとか有り得ない話だ。それなら洋楽カバーでヒットした曲に誤魔化しのような賞を与えるのではなく、与えないか洋楽カバー大賞でも作って与えればいい。それだけでなく、秋元グループと選考委員の明らかな癒着も垣間見える。昨年で言えば欅坂46が不協和音でエントリーしていれば乃木坂46のインフルエンサーに勝ったかもしれない。それくらいどちらもいい曲で、忖度があったと思う。
明らかに落ちる風に吹かれてもでエントリーしたから当然のようにインフルエンサーが大賞に輝いた。先輩乃木坂46に華を持たせたのだろうし、紅白で不協和音を披露することで紅白にも恩を売ったのだろう。もしかしたら紅白でセンターを務める平手友梨奈の負担を減らしたかったのかもしれない。いづれにしても秋元康・乃木坂46・NHK・日本レコード大賞共に円満に丸く収まったのだから賞取りに割を食ったのは欅坂46だけだった。これは私も早くから予想していて記事にしていたが、今年も同様になりそうだと書いて、まるでデジャヴのようだと記事にしました。但し、今回の場合は事情が全く違っていて、明らかに欅坂46が上だった。
ガラスを割れ!はどこかで聞いた風なオリジナリティのあまり無い楽曲だが、NTTドコモのCMのお陰もあり、インパクトは相当強いいい楽曲だった。だからこそ欅坂46初のミリオン曲になったのだが、何とエントリーしたのは表題曲らしからぬアンビバレントだった。独創性においてはこの曲の方が上だが、どう考えてもミリオン割れのこの曲のインパクトは弱い。確かに乃木坂46のシンクロニシティはミリオン曲だが、アンダーの人数さえ増やせばミリオンなんかはどのグループでも取れる。例えばAKB48は昨年300万枚突破の曲もあるが、オタク以外は殆ど浸透していない。ジャニーズグループが同様にやれば400万枚も可能だ。
そんな数に物を言わせるやり方が健全なはずはないが、秋元グループは今やりたい放題が出来ている。秋元康はシンクロニシティを非常に気に入っており、「シンクロニシティは僕の中で最高傑作、ここまで反響が無いとは思わなかった」と語っていたので壮大な忖度だったのでしょう。つまり、2年連続レコード大賞も夢ではなかった欅坂46は最初から蚊帳の外だったのだろう。勿論、平手友梨奈の不調も大きな要因だろうが、無理をさせたくない秋元康の親心にも見える。早い話が創成期は非常に意味のある賞だったが、商業主義に走り始めておかしくなったのがこの賞で、もう既に役目はとうに終わったが、惰性で残っているのでしょう。
再生回数
❶ 2017年
① 不協和音 6,098万回
② インフルエンサー 4,531万回
③ 風に吹かれても 2,932万回
❷ 2018年
① ガラスを割れ! 3,447万回
② シンクロニシティ 2,012万回
③ アンビバレント 1,818万回
※これを見ても明らかだが、本当は秋元グループでは欅坂46の曲の方がレコード大賞に相応しく、欅坂46が2年連続レコード大賞でも全くおかしくなかったということです。この賞に本当に権威があれば私も直後から批判記事を書いていたと思いますが、そうではないことを知っていますから大人しくしていました。でもインフルエンサーはそれなりに良かったと思いますが、シンクロニシティはアンビバレント並みの自己満足の曲で、カップリング曲レベルでした。秋元康も平手友梨奈の体調が万全だったり、NHKとの密約が無ければ本命曲でエントリーしたと思います。いづれにしてもこのレベルの曲で2年連続レコード大賞は乃木坂46ファンでもあまり喜んではいないのではないでしょうか?お願いだから多少いい曲でも3年連続受賞だけは勘弁して欲しいというのが私の本音だ。
7⃣ 感想
設立時は良識ある作曲家が中心となって立ち上げたから意味があったし、充分な成果ももたらした。ただ残念ながらグラミー賞とは似ても似つかないほど差を付けられ、存在理由も危うくなっている。今では日本作曲家協会会長とその取り巻きの一部による私物化の道具に成り下がっているようだ。そんな中で審査委員長が謎の死を遂げたり、億単位の札束が飛び交う事態になっているから本当は一旦解散して、別の組織を立ち上げるべきだろう。かといって全く無意味な賞ではないからこれから意味あるものに変えて行く必要がある。今やポピュラー音楽に関する賞は有名なものだけでも日本レコード大賞以外にオリコン年間ランキング・日本ゴールドディスク大賞・ビルボードジャパンミュージックアワード・CDショップ大賞・JASRAC賞・年間カラオケランキング等がある。
一方で、有線大賞は2017年で50年の歴史に幕を閉じた。幸いなことに欅坂46は風に吹かれてもで有線音楽優秀賞を受賞した。日本レコード大賞も日本の全ての音楽の最高の賞という理想を捨て、特化したものにしなければやがて消えゆくのではないかと思います。国民の多くが何か裏がある、胡散臭い賞と感じている内は正当な評価はされないと思います。組織の改編は勿論、審査員と審査の透明性、審査基準の明確化等を成し遂げて初めて再スタートできるのではないかと思います。何か日本ボクシング連盟を想起させる話で、安易に日本という字を使って欲しくないが、どちらも公益法人だ。歴代の会長を見ると古賀政男→服部良一→吉田正→船村徹→遠藤実→服部克久→叶弦大と錚々たる名前が並ぶが、80才が会長を務めていることに時代遅れ感を感じます。
最後に個人的な改革案を言いますと米津玄師のように受賞するのはいいが、人前に出るのが苦手なアーティストは紅白のように徳島に行けばいい。どこかの会場で歌って貰ってレコード大賞を上げればいい。DA PAMPのように洋楽カバーだから駄目と言いながらエントリーさせるのは如何にも日本人らしい矛盾に満ちたやり方だ。洋楽カバーだから駄目と言うのなら日本作曲家大賞と名前を代えなければならない。米津玄師とDA PAMPの曲が2018年のレコード大賞に相応しいのは明らかだからそれが可能になるようにルールを変えることが権威の回復になる。紅白歌合戦出場者は12月29日・30日にリハーサルでNHKホールに必ず来るのだから日本レコード大賞にとっても都合がいい筈で、例え代理センターだろうが欅坂46最高のヒット曲でエントリーさせるべきだ。
【その他の情報】
1⃣ とんPさんの五島&奈良尾漫画
とんP劇場第21話 故郷五島の海
2⃣ けやき坂&STU&さくら学院&カラバト&BM(推しメン中心)スケジュール
01/06(日) NHK-SONGSで秋元グループオリジナルメンバーユニット特集
01/07(月) 欅坂46の夕方パラダイスに菅井友香・佐々木久美が出演(16時40分~)
01/10(木) THE突破ファイル2時間SPに佐々木久美・渡邉美穂が登場(19時~)
01/11(金) AKBグループ歌唱力NO1決定戦決勝inTBS赤坂シアター(18時30分~)
01/11(金) 芸能界特技王決定戦TEPPEN2019冬の陣に尾関梨香が出演(20時~)
01/11(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
01/12(土) TGC静岡2019atツインメッセ静岡に欅坂46/けやき坂46から9名出演
01/12(土) NHK-BSプレミアム猿以外の惑星に小林由依が2度目の出演(23時45分~)
01/13(日) NHK-SONGSで秋元グループ紅白歌合戦特集
01/14(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
01/17(木) ひらがなけやきの渡邉美穂がグループ初の1st写真集陽だまりを発売
01/18(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
01/19(土) ひらがなけやきがALL LIVE NIPPON2019in横浜アリーナに出演
01/21(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
01/22(水) 乃木坂46の生田絵梨花が2nd写真集を発売
01/25(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
01/28(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
02/01(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
02/02(土) 吉本坂46初の1st個別・全体握手会in東京ビッグサイト
02/04(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
02/06(日) 日韓混合のアイドルグループIZONEの日本デビューシングル発売
02/06(日) NHK-BSプレミアムドラマかんざらしに恋してに長濱ねるが出演(21時~)
02/08(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
02/11(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
02/15(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
02/18(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
02/19(火) WOWOWでCOUNTDOWN JAPAN18/19放送(21時~)
02/21(木) 乃木坂46-7th YEAR BIRTHDAY LIVEin京セラドーム4days(西野卒業)
02/22(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
02/23(土) STU48の2ndシングル発売日
02/25(月) 欅坂46の夕方パラダイスに欅坂46メンバーが出演(16時40分~)
02/27(水) ひらがなけやきが出演した舞台マギアレコードのBlu-ray発売
03/01(金) こちら有楽町星空放送局に長濱ねるが欅メンバーを迎えて送る(24時20分~)
03/06(水) 平手友梨奈主演映画 響 -HIBIKI- Bluray&DVD発売
04/05(金) 舞台熱海殺人事件in紀伊国屋ホールに今泉佑唯が出演(~4月18日)
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